こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
僕は写真・カメラ系ブログを始めて8年目になります。
その長い期間の中で、お問い合わせフォームや各SNSから色んな質問や相談を頂きます。
その中でも最近多いなと思った相談が「高い機材が欲しいけど迷っている」と言う内容。
余裕資金から買うのであれば、ぜひ良いものを買って下さいと言うところですが、問題はいま使えるお金すべてを使って、無理をして購入をするというケースです。
結論:無理して買うな後悔する
先に結論からお伝えしますが、無理をして買う必要はありません。
僕の考え方
僕の考え方は「初心者でも良い機材を使うべき」なんですが、無理をして購入する場合はその限りではありません。
と言うのも、これからカメラ・写真を始める初心者の方は、自分に必要な機材が分かっていません。
それに実際に写真を撮り始めてみると、自分が本当に楽しいと思えるものが変わるものです。
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例えば当初は風景写真を撮りたいと思ってカメラを始めたけど、友達に誘われて行ったポートレート撮影にハマった。
ポートレートをメインで撮影をするつもりだけど、野鳥や動物の写真にハマったなど。
もちろんどのレンズでも風景・ポートレート・野鳥など撮れるんですが、やはり全てを1本のレンズで対応するのは厳しいです。
※風景を撮りたいなら広角が欲しい、ポートレートなら明るい単焦点又は中望遠が欲しい、野鳥撮影は焦点距離300mm以上の超望遠域のレンズが必須など。
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自分が何を撮りたいのかが分かってないまま最初から無理をして高いレンズを買ってしまうと、次に欲しいレンズが出来たときにすぐに購入することが出来ませんよね。
もし無理して高いレンズを買ってしまって、いざ次に欲しいレンズが出来たとき
せっかく良いレンズを購入しているのに、こういうマイナスな気持ちになってしまうんです。これは勿体ないですよね。
高いレンズと安いレンズの違い
”高ければ良いレンズに違いない”
まさにその通りです。
価格が高いほど良いレンズなんですが、その違いを知って行かないとレンズの性能を活かし切れない事にも繋がります。
高いレンズの特長
- 画質が良い
- 逆光耐性が強い
- 明るいレンズ
- 価格が高い
- 重量が重い
高いレンズはイメージ通り、高画質に撮れるような性能に特化しています。
他にも撮影をサポートするボタンが設けられていたり、オートフォーカスが速かったり(ケースバイケース)しますね。
その代わりに価格が高くなり、レンズの重量も増えます。
安いレンズの特長
- 価格が安い
- 重量が軽い
- キズとか気にせずガンガン使える
- 逆光耐性が弱い
- 高いレンズと比べると画質が悪い
安いレンズは画質面では高価格のレンズに劣るものの、画質は良いです。
スマホで撮影する写真に比べれば、雲泥の差でキレイなことが分かるほどキレイに撮れるんですね。
また価格が安く重量が軽いので、色んな種類のレンズを試しやすいですし、気軽に持ち運べる軽快さがメリットになります。
カメラ初心者に高いレンズが必須ではない理由
カメラ初心者に高いレンズが必要ない理由について話していきます。
※今回は「無理をして」レンズを購入される方向けの内容です。
余裕資金で良いレンズを購入しようとしている方は「躊躇せず良いレンズを購入して下さい」絶対に後悔しません。
性能の違いに気づきにくい
そもそもの話なんですが、カメラ初心者の場合、レンズの性能差に気づかないと思います。
高性能なレンズと普通のレンズを、判断する基準がまだ無いわけですから。
僕自身、カメラを始めたばかりの頃は全く分かりませんでした。
持っていたレンズはどれも50,000円以下のレンズで、カタログを見れば200,000円や1,000,000円を超えるレンズまで載っています。
その高いレンズで撮影した作例も掲載されていますが、なにが良いのか全く分かりませんでした。
”でもレビュー記事でも絶賛されているから、きっと良いレンズなんだろう”
その程度の認識しかないのに、高いレンズに憧れたりしていました。
物の良さを分かっていないのに、無理をして購入しようとするのは止めておいた方が良いかなと思います。
レンズが高い
高性能なレンズは価格が高いです。最新の光学設計に、高価なレンズ材を使用して高画質さを実現しています。
明るいレンズにするために、レンズの直径を大きくする必要があるので、その分価格も跳ね上がります。
レンズのコーティングも良いものが使われているため、逆光耐性が高くなりますし、オートフォーカスも最新のモーターが使用され、高精度で高速なピント合わせが出来る。
ありとあらゆる物の性能を高くするために、高価な部材や新開発のパーツや技術が使われているため、レンズが高くなっているんですね。
同じ50mmの焦点距離でも、値段が全く違う場合も
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S(74,000円前後)
- NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct(1,020,000円前後)
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どちらも「標準単焦点」と言われるジャンルのレンズですが、これほどの価格差がある。
この900,000円以上の価格差の価値をカメラを始めたての方が体感することは出来ないと思います。
レンズが大きくて重い
高性能なレンズの最大のデメリットは、レンズの大きさと重量。
コンパクトなモデルもありますが、基本的には価格が高いレンズほど大きくて重いレンズになります。
大きなレンズと重たいレンズのデメリット
- まずレンズが大きいと、カメラバッグを圧迫します。
小さなカメラバッグを使っている方なら、カメラバッグも買い替える必要が出てきますね。 - 更にレンズが重いので、持ち運びは疲れますし、撮影している時も軽いレンズより疲れが溜まるのが早くなります。
体力に自信が無い方の場合は、朝から撮影して午後にもなれば、レンズが若干ブレてしまい手ブレしてしまうかも知れません。
「最高の写りのためには、この程度デメリットにならない!」と覚悟を決めている人なら良いですが、
そうでない場合は大きな欠点となってしまいます。
主なレンズは500g~800g程度ですが、カメラに装着して構えると、思いのほか重量を感じるものなのです。
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低価格なレンズを選ぶメリット
低価格なレンズは、高価なレンズに完全に劣った存在かと言うと、そうでもありません。
低価格なレンズならではのメリットがありますので、そちらもご紹介します!
色んな写真を撮れる
低価格なレンズのメリットは、価格の安さ。
高価なレンズを1本購入する金額で、2~3本のレンズを購入する事が出来ます。
例えばNikonのレンズで言うと、高価なレンズである「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」は290,000円前後となっています。
大三元レンズと言われる、ズーム全域F/2.8の明るい標準ズームレンズで、いつかは欲しいと憧れるレンズですね。
でも290,000円と言う予算があるなら・・
- NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(160,000円前後)
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NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(136,000円前後)合計で296,000円
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こちらだとF/4.0で14mmの超広角から、120mmの中望遠までカバーする事が出来ますね。
予算300,000円なら
もしレンズに割ける予算が300,000円だった場合、カメラ初心者の場合は大三元レンズの「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」を購入するよりも、「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」と「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」にした方が、撮れる写真のバリエーションが多くなり、より写真の楽しさを味わえるのでは無いでしょうか。
更に
背景がボケた写真を撮りたい場合は、超広角ズームの「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」を諦めて「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」に「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」か「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」の、明るい単焦点レンズを追加する組み合わせも選択できます。
重量が軽い
低価格なレンズは高性能さを追求する必要がないので、本体がコンパクトで軽いメリットがあります。
レンズが重い場合
先ほど言ったように、レンズが大きくて重いと、カメラバッグに入らなかったり、撮影中の疲労が増してしまいます。
大三元レンズの広角・標準・望遠を揃えてカメラバッグに入れて歩くと、肩への負担と疲れやすさは中々のものに…。
レンズが軽い場合
一方、軽いレンズはそのような悩むとはほぼ無縁。
気軽に持ちだせるし、アクティブに撮影が出来ます。「機動力が高い」と言われたりしますね。
同じ焦点距離のレンズで、比較してみましょう。
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S | NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | |
実売価格 | 117,000円前後 | 290,000円前後 |
レンズ全長 | 88.5mm | 126mm |
レンズ最大径 | 77.5mm | 89mm |
重量 | 500g | 805g |
当たり前ですが、価格が安い方のレンズがコンパクトで軽いですね。
「たった300gしか変わらないじゃん!」と思われる方も居ると思いますが、カメラ機材で300gの差がかなり大きい。
多少キズが付いても気にならない
これは性格によると思いますが、低価格なレンズは高価なレンズほど、キズを気にして使う必要がありません。
高価なレンズは修理代も高いですし、売却する時の金額も大きいため、大切に使いたいと思うはず。
そのため、憧れのレンズを買ったけど、傷をつけるのがイヤだからあまり使っていないと言う本末転倒な方もいらっしゃいます。
低価格なレンズは、売却しても安い買取金額となりますので、高いレンズほどキズに気を付けて使う必要がありません。
草むらにレンズを突っ込んで撮影しようが、木の枝に当たりながら撮影しようが、そこまで気にならないので、思い切った撮影をすることが出来ますね。
低価格なレンズを選ぶデメリット
低価格なレンズを選ぶデメリットは、「本気で写真をするなら遠回りになる」と言う事。
もし写真にハマり、もっと良い写真を撮りたいと思った場合、最終的には高性能で高価なレンズに行き着くはずです。
そしてその時に後悔します。
「始めから良いレンズを買っておいた方が、金銭的ロスが少なかったな」と。
多くの人はエントリー→ミドル→ハイエンドと、ステップアップするように機材を買い替えて行くと思います。
僕もこのルートを辿ったわけですが、初めからハイエンドのレンズを買っておけば、エントリーやミドルのレンズを買う必要が無く、レンズを購入する資金を抑えられたはず。
これは多くの人が後悔されていると思います。
とは言え、初めはカメラに本当にハマるか分かりませんし、取り敢えずは安い機材で良いか、と思っちゃいますよね。
本気で写真を趣味にすると思っている方で、資金にも余裕がある方は、迷わず良いレンズを購入して下さい。
それでも高いレンズが気になる方
それでも高いレンズが気になる方
- 資金には余裕は無い
- 無理して購入することになる
- このブログの記事は全部読んだ
- それでも高価なレンズが欲しい
と思われている方は、高価なレンズを買ってください。
理由は、もし無理せず低価格なレンズを購入しても「高価なレンズだったらもっと良い写りをするんだろうか?」と言うことが、ずっと頭から離れないからです。
遅かれ早かれ高価なレンズを買うに至ると思うので、その場合は無理してでも構いませんので、高価なレンズを購入するのがオススメ!
カメラにも似たような現象で「フルサイズ症候群」と言うものがありますね。
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まとめ
今回は「カメラ初心者が無理をして高いレンズを買わなくて良い理由!」のお話でした。
撮りたいものは変わるので、購入資金を全て使っていいレンズを買うのはおススメしません。
ズームレンズの場合は、まだ色んな撮影に使える対応力がありますが、単焦点レンズの場合は後悔してしまう確率が高い!
ポートレート撮影をするぞ!と意気込んで「85mm F/1.2」と言う、素晴らしいポートレート向きのレンズを買ったのに、やっぱり風景写真が好きかもとなると、85mmは使いにくいレンズとなってしまいます。