こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
すっかりと夏の季節になり、かなり熱くなってきました。
撮影に出かけられるときは、熱中症に十分ご注意下さい。
夏の写真撮影で熱対策が必要なのは人間だけではありません。
一眼レフやミラーレスなどの、カメラも熱対策が必要になってきます。


カメラの熱対策が必要な訳

特に連写や動画で撮影される方は、カメラの熱対策が必要


まずはその辺りを知って、しっかりと熱対策する意味を知りましょう!
熱暴走でカメラが動かなくなる

熱暴走すると熱が逃げるまで撮影がストップしてしまう…
まずシンプルにカメラの温度が上昇しすぎると、カメラが使用不可能になります。
「これ以上はヤバい!」とカメラが判断すると、強制的に使えなくなってしまうんですね。
そうなってしまうと、温度が下がるまで待機するしかありません。
昔のカメラにはそういった機能はありませんが、近年のカメラは高性能化と小型化が進められていますので、より発熱しやすい構造になっています。
もちろん熱対策もされていますが、もう限界だ…となるとカメラを操作できなくなるセーフティ機能が搭載されているんですね。
熱ノイズで画質が悪化

存在しない光源の様な物が写りこでしまったりします
「熱ノイズ」はカメラに搭載されているイメージセンサーが熱によって暴走してしまい、ノイズを発生させてしまうこと。
※夏場に限らず長時間露光撮影しているときにも発生したりします。
夏じゃないときでも星とかを撮っていると熱ノイズが発生してしまうんですから、炎天下の昼間に外で撮影していれば熱ノイズが出るのは想像が付きますよね。
通常の撮影では起きることは少ないですが
連写での撮影
スローシャッターでの撮影
動画撮影
などをしていると、熱ノイズが発生してしまいます。
特に4K動画撮影は10分も持たないんじゃないでしょうか?
私は10分の動画撮影は試したことがありませんが、1~2分の動画を小刻みに撮っていても「大丈夫か?」と思うほどカメラはかなり発熱してきます。
樹脂製レンズは歪みが発生する

レンズは樹脂製(プラスチック)が主流。熱で膨張してしまいます。
オールドレンズや中華レンズは、金属製であることが多いですが、最近のレンズは軽量化と低コスト化で樹脂製レンズが主流となっています。
カメラに気を取られて忘れがちですが、レンズも熱はよろしくありません。
カンカン照りの中で撮影していて、家に帰ってきて撮った写真を見てみると、ちゃんとピントを合わせたつもりなのにピントが甘い、全体的に柔らかい描写になっているなんて経験はないでしょうか?
これは熱によって樹脂製の鏡胴が伸び縮みしてしまい、ピントがズレてしまうからです。
多くのレンズは熱を集めやすい黒色ですよね?
なので思っている以上に、レンズも熱を持ってしまって、樹脂が柔らかくなり起こってしまうんです。
時間をかけて熱が下がれば問題なく使えるようになります。
しかし、問題なくレンズが使えるようになっても、「レンズのコーティング」に異常が発生する可能性があります。
レンズコーティングの詳細は分かりませんが、一般的なコーティングで言うとレンズが過度に膨張した場合、コーティングは膨張しませんのでレンズに引っ張られクラックが発生してしまいます。
クラックが発生してしまうと解像度は大幅に落ちてしまいますし、進行すればコーティング剥がれの原因にもなってきます。
高価なレンズの場合は熱に対応したコーティングの可能性がありますが、長持ちさせるなら熱を持たせないことが重要ですね!
一眼レフやミラーレスの熱対策

屋外では直射日光を避けよう
室内での撮影であればクーラーを使うなどありますが、屋外での撮影においては「カメラやレンズに直射日光が当たらないようにする」しか方法がありません。
つまり、いかに日陰を作ることが重要となってきます。
日傘を使う

効果を重視するなら、完全遮光タイプ
一番有効なのは日傘を使って、カメラやレンズを守ることです。
直射日光を避けることで温度が下がりますし、IRカットがある日傘ならより有効でしょう。
また三脚を使うのであれば、三脚に取り付けられる傘ホルダーを利用すると手が空いて楽です。
※画像引用元:Velbon
普通の傘から小さい折り畳み傘まで対応していますので、ほとんどの日傘は取り付けられると思います。
ただ三脚も合わせて荷物が増えてしまうので、撮影の機動力は無くなってしまいますね…。
白いタオルを被せる

お手軽かつ効果的!
やっている人も多い、一番手軽なカメラやレンズの熱対策。
白のタオルを被せることで、白色が太陽光を反射し直射日光を防いでくれます。
またタオルをふんわり畳んで被せることで、タオルの中に空気層ができ、より高い断熱効果を発揮してくれます!
三脚に日傘を付ける方法と違い、手荷物があまり増えないので、気軽に撮影を楽しむことが出来ますね。
カメラの熱対策でうっかりやってしまうNG行為

冷たすぎるものでカメラを冷やすのはダメ!
「カメラが熱い!冷まさなくては!!」
ここまではOKですが、その時に冷たいものでカメラを冷やそうとするのはNGです。
カメラやレンズ内部が結露してしまいます。
結露してしまった場合、電源を入れるのは避けた方が良いですので撮影は出来なくなりますし、カメラやレンズ内部でサビやカビが発生してしまう恐れがある。
良かれと思った行為で、機材の寿命を縮めてしまいますので、いくら熱くても冷たいもので冷やすのは避けましょう!
屋外の場合は太陽光から機材を避け、風通しのいい場所で熱が抜けるのを待つのがベストです。
また表面があまり冷たくならない(布みたいな素材のやつ)を使っている方もいらっしゃいます。
一眼レフとミラーレスならどっちが発熱しやすい?
これはずばりミラーレスです。
熱がこもりやすい理由1
ミラーレスは小型化されていて、カメラ内部は一眼レフほど空間が無くパーツが詰まっています。
そのため熱がこもりやすい。
熱がこもりやすい理由2
ミラーレスはボディ内手振れ補正を採用しているモデルが非常に多いです。
この手振れ補正機構も熱を発生させてしまいますので、一眼レフに比べ発熱しやすい。
熱がこもりやすい理由3
ミラーレスには光学式ファインダーがありませんので、ファインダーや背面モニターを使ったライブビュー撮影をしているときは、常にイメージセンサーが働いています。
イメージセンサーは非常に発熱しやすいですので、これを常に使っているミラーレスは一眼レフに比べて発熱しやすいですね。
メーカーも熱対策はしていますが、カメラのパーツも年々高性能化しています。
基本的に「高性能化=発熱量の増加」なので、熱対策もいたちごっこ状態になっていますね。
高級カメラだとパソコンみたいに、カメラ内部に排熱ファンを備えたモデルも登場しています!
まとめ
私自身、一眼レフを使っていたころは「熱」なんてまったく気にしていませんでした。
カメラが止まった経験も無いですし、カメラが熱い!なんてことも滅多にありませんでしたので。
ただミラーレスにカメラを替えてからは、熱対策が必要だなぁと感じるようになってきました。
ミラーレスは一眼レフに比べ、どうしても熱が発生する部品が多いことと、内部空間が狭いので熱がこもりやすい。
それに加えて、近年の気温の上昇です。
カメラやレンズって黒色なんで、屋外だと思っている以上に温度が上がりやすい。
しっかりと熱対策もして撮影を楽しんでくださいね!