※2024年5月8日内容を更新しました。
こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
いよいよ夏本番!気温がぐっと上がり、熱中症対策が欠かせない季節となりました。
熱中症のリスクは人間だけではありません。 大切なカメラも、高温の影響を受けやすく、故障の原因となる可能性があります。
近年、異常気象の影響で、気温40度を超える猛暑日も珍しくありません。
そこで今回は、夏場の撮影でカメラを守るための熱対策について、詳しく解説します。
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カメラの熱対策が必要な訳
連写や動画撮影など、カメラに負荷がかかるシーンでは、熱によるトラブルが発生しやすくなります。
せっかくの撮影が台無しになってしまう前に、しっかりと熱対策を行いましょう!
高温がもたらす4つの悪影響
- 自動停止: カメラが熱暴走を起こし、自動的に電源がオフになってしまうことがあります。
- 画質劣化: 熱によってセンサーノイズが増加し、写真や動画の画質が低下します。
- 動作遅延: カメラの処理速度が低下し、シャッターチャンスを逃したり、動画がカクカクしてしまう可能性があります。
熱暴走でカメラが動かなくなる
まずシンプルにカメラの温度が上昇しすぎると、カメラが使用不可能になります。
近年のカメラは高性能化と小型化が進み、以前よりも発熱しやすい構造になっています。
そのため、長時間撮影や高温環境での使用では、熱暴走と呼ばれる現象が発生しやすくなっています。
熱暴走とは、カメラ内部の温度が異常なほど上昇し、正常な動作が不可能になってしまう状態です。
具体的には、以下の症状が現れます。
- カメラが突然動かなくなる
- エラーメッセージが表示される
- 映像や写真が乱れる
熱ノイズで画質が悪化
カメラで撮影した写真や動画に、まるで存在しない光源のようなノイズが写り込んだことはありませんか?
実はこれ、「熱ノイズ」と呼ばれる現象が原因なんです。
熱ノイズとは、カメラ内部のセンサーが熱によって暴走し、ノイズが発生してしまう現象です。夏場だけでなく、長時間露光撮影などでも発生します。
【熱ノイズの影響】
熱ノイズによって、写真や動画は以下の様な影響を受けます。
- 画質の悪化: ノイズが目立ち、全体的に汚れたような印象になります。
- ディテールの消失: 細かい部分の描写が失われ、ぼやけた仕上がりになります。
- 色の異常: 赤や青などの特定の色が強調されたり、不自然な色合いになったりします。
【熱ノイズが発生しやすい状況】
- 長時間露光撮影: 星景写真など、シャッタースピードを遅く設定する撮影で発生しやすいです。
- 連写: 高速連写を行うと、センサーが熱くなりやすくなります。
- 動画撮影: 特に4K動画撮影では、高画質処理による発熱が大きくなります。
- 高温環境: 炎天下など、カメラ本体が熱くなる環境でも発生しやすいです。
特に4K動画撮影は10分も持たないんじゃないでしょうか?
私は10分の動画撮影は試したことがありませんが、1~2分の動画を小刻みに撮っていても「大丈夫か?」と思うほどカメラはかなり発熱してきます。
樹脂製レンズは熱に弱い!?歪みやコーティング劣化の原因に
近年、オールドレンズや中華レンズを除き、多くのレンズは軽量化と低コスト化のため、樹脂製(プラスチック製)が主流となっています。
しかし、樹脂製レンズは熱に弱く、歪みやコーティング劣化の原因となることをご存知でしょうか?
カメラに夢中になると忘れがちですが、レンズも熱にさらされています。
特に、真夏に長時間撮影していると、レンズ内部の樹脂製部品が熱膨張し、以下の問題が発生する可能性があります。
- ピントのズレ: レンズ本体が伸縮することで、せっかく合わせたピントが甘くなる
- 全体的な描写の軟化: レンズの形状変化により、本来のシャープな描写が失われる
熱による影響は一時的なものではなく、レンズコーティングの劣化という深刻な問題にもつながります。
- コーティングのクラック: 熱膨張によるストレスでコーティングに亀裂が生じ、解像度低下や剥がれの原因となる
- コーティング剥がれ: クラックの進行により、コーティングが剥がれ落ち、修復不可能な状態になる
高価なレンズには熱に強いコーティングが施されている場合もありますが、根本的な解決策はレンズを熱から守ることです。
一眼レフやミラーレスの熱対策
一眼レフやミラーレスカメラは、精密機械であり、高温に弱いため、適切な熱対策を行わなければ、故障や性能低下だけでなく、思わぬ撮影トラブルを招く可能性があります。
特に、屋外での撮影は、直射日光や照り返しによる高温にさらされるため、熱対策が重要となります。
日傘を使う
カメラやレンズにとって最大の敵は直射日光です。
日傘の中でも、UVカット率や遮光率の高い完全遮光タイプを選ぶことで、熱ダメージや色あせを防ぎ、長持ちさせることができます。
さらに、IRカット機能付きの日傘であれば、可視光線だけでなく、赤外線も遮断することができます。
赤外線は熱の原因となるため、IRカット機能付きの日傘を使うことで、カメラやレンズの温度上昇を抑制することができます。
※画像引用元:Velbon
三脚を使用する場合は、三脚に取り付けられる傘ホルダーを活用しましょう。
日傘を手に持たなくても良いので、両手が空いて撮影に集中することができます。
白いタオルを被せる
実はやっている人も多い、一番手軽なカメラやレンズの熱対策。
タオルをカメラやレンズ全体にふんわり覆うように被せます。レンズフードを付けたままでもOKです。
たったこれだけで、驚くほど熱を遮断することができます。
三脚に日傘を付ける方法と違い、手荷物があまり増えないので、気軽に撮影を楽しむことが出来ますね。
カメラの熱対策でうっかりやってしまうNG行為
「カメラが熱い!冷まさなくては!!」と焦って、冷たい水や氷でカメラを冷やそうとしたことはありませんか?
実は、これはカメラにとってNGです。
カメラやレンズ内部は精密機械の塊であり、急激な温度変化によって結露が発生しやすくなります。
結露は故障の原因となるだけでなく、カビやサビの発生にもつながり、カメラの寿命を縮めてしまう可能性があります。
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屋外の場合は太陽光から機材を避け、風通しのいい場所で熱が抜けるのを待つのがベストです。
一眼レフとミラーレスならどっちが発熱しやすい?
結論から言うと、ミラーレスカメラの方が一眼レフカメラよりも発熱しやすい傾向があります。
その理由は以下の3つが挙げられます。
- 小型・軽量設計による内部スペースの狭さ:ミラーレスカメラは、一眼レフカメラよりも小型・軽量設計のため、内部スペースが狭く、パーツが密集しています。
そのため、熱がこもりやすく、放熱効率が低下します。 - ボディ内手振れ補正機構の搭載:ミラーレスカメラの多くは、ボディ内手振れ補正機構を搭載しています。この機構は、手ブレを抑える効果が高い反面、発熱量も増加します。
- 常時駆動するイメージセンサー:ミラーレスカメラは、光学ファインダーを搭載していないため、常に電子式ファインダーや背面モニターでライブビュー撮影を行います。
この際、イメージセンサーは常に駆動するため、発熱量が増加します。
近年、カメラメーカー各社は発熱対策に力を入れています。放熱性の高い素材を採用したり、排熱ファンを内蔵したりするなど、様々な工夫が凝らされています。
しかし、カメラのパーツは年々高性能化しており、高性能化に伴い発熱量も増加する傾向があります。そのため、熱対策と高性能化は常にトレードオフの関係にあります。
高級カメラの中には、パソコンのようにカメラ内部に排熱ファンを備えたモデルも登場しています。これは、発熱量が多い高性能カメラを冷却するための有効な手段です。
一眼レフやミラーレスの夏季熱対策に関するよくある質問
Q1: なぜ夏の撮影時に一眼レフやミラーレスカメラの熱対策が必要なのですか?
A1: 高温下での撮影はカメラやレンズの温度が上昇し、熱暴走によってカメラが使用不能になるリスクがあります。また、熱ノイズが画質を低下させたり、樹脂製レンズが歪んでしまう可能性があるため、熱対策が重要です。
Q2: 熱暴走とは何ですか?どういった影響がありますか?
A2: 熱暴走は、カメラ内部の温度が異常に上昇することで、安全装置が作動し撮影が強制的に停止する現象です。この状態になると、カメラが一時的に使用不可能になります。
Q3: 熱ノイズとは何ですか?
A3: 熱ノイズは、カメラのイメージセンサーが過熱することで発生するノイズです。画像に存在しないはずのランダムな点や色味が現れ、画質が劣化します。
Q4: カメラやレンズの熱対策方法はありますか?
A4: 日傘を使用して直射日光を遮る、白いタオルをカメラやレンズにかぶせて直射日光を反射させるなどの方法が有効です。また、カメラを過度に冷やす行為は避け、自然な方法で徐々に温度を下げることが推奨されます。
Q5: 冷たいものでカメラを冷やすのはなぜダメなのですか?
A5: 冷たいものでカメラを急激に冷やすと、内部で結露を引き起こすリスクがあります。これは電子部品の故障やカビの原因となり、カメラの寿命を縮める恐れがあるためです。
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Q6: ミラーレスカメラは一眼レフに比べて熱対策がより必要なのはなぜですか?
A6: ミラーレスカメラは小型化が進み内部空間が狭いため、熱がこもりやすくなっています。また、ボディ内手振れ補正機能や常時イメージセンサーを使用する構造が熱を発生しやすくする要因となっています。
Q7: カメラの熱対策でおすすめのアイテムはありますか?
A7: 完全遮光タイプの日傘や、UVカット機能付きの白いタオルが効果的です。さらに、三脚に取り付けられる傘ホルダーを使用すると、撮影中も日傘を安定して使えて便利です。
まとめ
かつて一眼レフを使っていた頃、私は「熱」なんてまったく気にしていませんでした。
カメラが止まるような経験も、熱さで不快な思いをした記憶もほとんどありませんでした。
しかし、ミラーレスカメラに乗り換えてからは、状況が一変しました。
ミラーレスは一眼レフに比べて、発熱する部品が多く、内部空間も狭いため、熱がこもりやすいのです。近年は地球温暖化の影響もあり、外気温も上昇傾向にあります。
しっかりと熱対策もして撮影を楽しんでくださいね!
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