こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
近年は気温がグングンと上昇し、熱中症で人が倒れたというニュースを毎日のように目にしますよね。
僕が子供の頃にはまず見ることが無かった「40℃」近い気温が当たり前のように表示されているのには恐怖すら感じます。
気温が上昇してきている日本ですが、気になることがあります。
それは一眼レフやミラーレスなど、カメラはこの高温に耐えられるのか?という疑問。
アマチュア写真家の方は、風景・ポートレート・スポーツ・野鳥など、屋外でカメラを使う人が多数派のはず。
果たして40℃に迫る気温の中、カメラは使えるのか。
または使っても大丈夫なのか?
ちょっと気になったので調べてみました。
僕自身、ほとんど風景を撮影するので、実際に使って見た感想もお伝えしたいと思います!
結論:ハードなカメラの使用は暑さに耐えられません
先に結論からお伝えすると、夏場の特にお昼の時間帯は、ハードな使用には耐えられません。
割とすぐに熱暴走・熱停止してしまいます。
一方で普通の撮影は、今のような気温でもほとんど問題はありません。
普通の撮影とはお花を撮影したり、風景やポートレート撮影の事ですね。
一眼レフやミラーレスの耐熱性能は「40℃」
まずはカメラのスペックで、どこまでの気温に耐えられるかですが、ほとんどのカメラは40℃までが使用温度範囲となっております。
一眼レフやミラーレスは「40℃」
一眼レフのフラッグシップモデルが「45℃」となっていました。
ミラーレスのフラッグシップモデルで45℃に対応していないのは、カメラ内部のスペースの問題ですかね?
日本で40℃を超すことはまだ稀なことなので、平均的な夏の気温35℃前後ではカメラを使っても大丈夫そうですね。
ただし、使い方次第ではカメラが熱暴走を防ぐために、自動停止してしまう事があります。
次の項目でそちらをご紹介しますね。
カメラが熱暴走するケース
カメラの使用温度範囲は「40℃」でしたが、人によってはほんの数10分で熱暴走してしまう事もあります。
仕様範囲内の気温なのに、熱暴走してしまう原因は以下の3つ。
熱暴走してしまう原因
- スローシャッター(長時間露光)を多く使う撮影
- 連写を使う撮影
- 動画を撮影する
この3つに共通しているのは「イメージセンサー」に負荷を掛ける撮影だということ。
カメラで最も熱を発するパーツはイメージセンサーで、真冬でも長時間露光撮影をしているとカメラがほかほかになるくらい発熱します。
スローシャッター(長時間露光)を多く使う撮影
スローシャッター(長時間露光)の撮影では、イメージセンサーを長い時間作動させるので、発熱しやすくなります。
スローシャッター(長時間露光)とは?
シャッタースピードを遅くして、水や雲を流して撮るような撮影ですね。
星・滝・海・雲などを撮影する時の表現の1つ。
涼しければ大丈夫
夜の星空や夜景、山の中の渓流では、夏でも涼しい環境なので熱暴走はしにくいです。
僕が渓流で撮影していた時に、熱暴走してしまった経験は無いですね。
注意ポイント
一方で昼間に波打ち際の撮影や、雲が流れるような撮影では注意が必要。
数回撮る程度では大丈夫ですが、10秒・20秒と言うシャッタースピードで、何度も何度も撮り直ししていると、カメラが熱停止してしまうはず。
僕は熱停止するほど撮影したことはありませんが、夏の昼に波打ち際を撮影していた時は、カメラが結構熱を持っていました。
熱暴走しなくてもイメージセンサーが熱を持った場合、「熱ノイズ」と言うのが入り画質が劣化してしまうので、やはり厚い環境でのスローシャッターは控えめにしておいた方が良いですね。
連写を使う撮影
お子さんの撮影やペットの撮影。
スポーツシーンや野鳥撮影を楽しんでいる方は、連写で撮影することが多いですよね。
連写を使っての撮影も、イメージセンサーに負荷をかけるため発熱する要因となります。
特に最近のカメラは連写性能が上がり、エントリーモデルでも10コマ/秒を超えるカメラが多くなりました。
なので、なにも考えず連写で撮影していると、あっという間にカメラが熱を持ってしまいます。
フラッグシップやハイエンドモデルでは、カメラに熱対策がされていますので、そうそう熱暴走してしまうことはありませんが、ミドルからエントリーモデルはハードな使用を想定していないですので、熱が籠りやすく熱停止してしまう可能性があります。
動画を撮影する
カメラの熱停止を体験してみたい人は、動画を撮るのが一番手っ取り早いです。
それくらい動画撮影は発熱してしまうんですよね。
もっと詳しく
画質はフルHDより4K、フレームレートは30fpsより60fpsの方がより熱暴走しやすくなります。
動画は撮影中、ずっと30枚から60枚の写真を撮り続けていることになるので、イメージセンサーに常に負荷が掛かり、あっという間に高温になる。
当然、気温が高い夏場に動画撮影をすると、設定によっては数分でカメラが自動停止してしまいます。
動画撮影に特化したカメラの場合、放熱のためのフィンやファンが搭載されているので、高画質&高フレームレートで撮影出来るようになっていますが、そのような専用装備が無いカメラでは、動画の連続撮影は10分位が限界では無いでしょうか?
画質はフルHDに落としたり、フレームレートを下げると、長時間の撮影も可能になります。
一眼レフとミラーレスはどっちが熱に弱い?
ミラーレスの方が続々と新機種が登場し、最新の設計のため熱対策が取られていますが、
そもそものカメラ構造の違いで一眼レフよりミラーレスの方が高温に弱いです。※動画特化のカメラは除く。
もっと詳しく
- 一眼レフはカメラ内部の空間が広く熱が籠りにくいですが、ミラーレスの内部がギチギチにパーツが入っていて、カメラ自体も小型化されているためスペースが少なく、熱が籠りやすい。
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ミラーレスにはほぼ標準装備となっている「ボディ内手振れ補正(IBIS)」も熱を発生させるので、余計に熱を持ってしまう。
- 一眼レフは光学式ファインダーですが、ミラーレスは電子式ファインダー(EVF)を採用しているので、電源をONにすると常にイメージセンサーに仕事をさせているため、発熱しやすい。
一眼レフの時代から熱暴走・熱停止と言うのはありましたが、ミラーレスになって格段に増えた印象があります。
それも一眼レフとミラーレスの構造の違いから来るものなんでしょうね。
動画が流行っているのも、熱暴走が増えた原因だと思いますが。
熱暴走・熱停止しにくいカメラ
今の暑さはカメラにとって非常に過酷な訳ですが、その中でも熱暴走・熱停止しにくいカメラもあります。
それはイメージセンサーが小さいカメラですね。
イメージセンサーの大きい順
- 中判 (センサーが1番大きい)
- フルサイズ
- APS-C
- マイクロフォーサーズ
- 1型
- 1/2.3型 (センサーが1番小さい)
上から順に大型のイメージセンサーですが、大きいセンサーほど高画質な写真・動画が撮影出来る代わりに、消費電力も多く発熱しやすくなります。
夏場に動画撮影をする場合は、1/2.3型センサーを多く搭載している「ビデオカメラ」が耐熱性能が強いですね。
めんどくさいのが、カメラの構造によっても耐熱性能が違うので、一概にイメージセンサーの大きさだけで判断出来ないという点。
熱暴走・熱暴走しにくいカメラは以下の通り。
熱暴走・熱暴走しにくいカメラ
- Nikon Z9
- LUMIXS 1H
- LUMIX GH6
- LUMIX GH5
- SONY α7S3
- EOS R7
- EOS R3
- FUJIFILM X-H2S(オプションの冷却ファン使用)
※一眼レフは連写やスローシャッターでの熱暴走はほぼ無いですが、動画で試している事例が無く不明です。
特にNikon Z9・LUMIX 1H・LUMIX GH6は熱に強く、熱停止したと言う情報を見つけれないほど。
その他の機種も強いですが、炎天下の中で4K撮影となると熱停止してしまいます。
やはりファンが付いているカメラは熱に強いですね。
異質なのがNikon Z9。
冷却ファンやフィンが搭載されていないのにも関わらず、異様な耐熱性能となっています。
まとめ:ハードな使用には耐えられない
普通に使う分には、猛暑でも問題なくカメラは動いてくれます。
ただスローシャッターを多用したり連写での撮影が多くなると、熱停止の確立が上がりますね。
それよりもダントツで熱暴走してしまうのが動画撮影。
特に4Kでの撮影はカメラによっては数分しか持たないこともあります。
一眼レフやミラーレスの熱対策は下記の記事に書いていますので、ぜひご覧ください!
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【熱暴走】夏に写真撮影をするときに必要な一眼レフやミラーレスの熱対策!
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