こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
デジタル写真に撮って欠かせないものがRAW現像ソフト。
メーカー純正を使っている人や、lightroomなど有料ソフトをお使いの方もいらっしゃると思います。
一眼レフやミラーレスをお持ちの方なら、何らかのソフトを利用されていると思うのですが、その数多くあるRAW現像ソフトの中でも最近おすすめしたいのが「SILKYPIX Developer Studio Pro10」です!
初代SILKYPIXが登場してから16年が経つ、老舗のRAW現像ソフトですね。
LUMIXやFUJIFILMの純正RAW現像ソフトは、このSILKYPIX製ですのでご存知の方も多いかと思います。
SILKYPIX Developer Studioシリーズとは?
どんなソフト?
SILKYPIX Developer Studioは「株式会社 市川ソフトラボラトリー」さんが販売されている日本メーカーのRAW現像ソフト。
初代SILKYPIX Developer Studioは2004年に登場していますので、今年でシリーズ16年目の歴史あるソフトです。
ポイント
近年のソフトは月額制が増えてきており、毎月お金が掛かるのがネックとなるのですが、SILKYPIX Developer Studioは今でも買い切りタイプのため、一度購入してしまえばずっとお金が掛かることがありません。
そういった所でもSILKYPIX Developer Studioを好む人も多いんです。
これまでも最新の機能は素早く取り入れてきたSILKYPIX Developer Studioですが、今回のSILKYPIX Developer Studio Pro10 は大幅に進化。
特に最上位モデルであるSILKYPIX Developer Studio Pro10は革新的な進化を果たしました!
汎用RAW現像ソフト【SILKYPIX Developer Studio Pro10】
SILKYPIX Developer Studio Pro10の凄いところ
SILKYPIX Developer Studio Pro10は6種類の合成機能が追加
- 比較明合成
- 多重露光合成
- 多重露光合成(夜景)
- 被写界深度合成
- 動体除去合成
- ストロボモーション合成
そしてこの合成技術を利用した、ノイズ処理技術がとんでもなく凄いんです!
高感度での撮影が多い方にはぜひ使ってみて欲しいソフトですね。
ISO12800で撮影した写真がISO800の画質にまで向上!
新機能の「露出合成」を行うことで、デティールを損なわずノイズ処理が出来てしまいます!
4枚合成するとISO感度で2段分。
16枚合成するとISO感度で4段分もの効果を発揮!
しかも合成写真と言うと、全く同じ構図の写真を重ねる必要がありますので、カメラを三脚で固定する必要がありますが、SILKYPIX Developer Studio Pro10には「画像一致点検出技術」が採用されており、手持ち撮影で多少動いてしまってもソフトが自動に判断して被写体を合わせて合成してくれます。
三脚なしでも合成写真を作れるんだね!
左:ISO12800 右:16枚露出合成(ISO800相当)
※中央のスライダーを動かしてご覧ください。
左:ISO20000 右:16枚露出合成(ISO1250相当)
※中央のスライダーを動かしてご覧ください。
さらに上のISO20000でも試してみましたが、ISO20000の状態ではノイズが多くディテールがなくなってしまい、解像感のない写真になってしまいますが、16枚露出合成をしてISO1250相当にまで戻せば見れるレベルにまで向上していますね。
ノイズ処理をしても解像度を保てる「ファインディティール」
通常、ノイズ処理をすると解像度が下がりのっぺりとした写真になってしまいます。
「露出合成」を利用したノイズ処理でもかなりの解像度を保ちますが、新機能の「ファインディティール」を適用すればさらにディティールがハッキリとしてきます!
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シャープをかければノイズが増える/ノイズを除去すればシャープさは失われる
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トレードオフの関係にある両者でしたが、SILKYPIX Developer Studio Pro10の場合は「ノイズ除去しながらシャープさも失わない」という夢のような機能を搭載したんですね。
露出合成とファインディティールを使えるのならば、撮影の時にISO12800や25600と大幅な高感度も躊躇なく使用できそうです!
SILKYPIX Developer Studio Pro10 その他の新要素!
合成機能とノイズ処理技術が凄すぎて先に紹介してしまいましたが、SILKYPIX Developer Studio Pro10ではその他にも多くの新機能・新要素が追加されました。
それぞれの機能をご紹介いたします!
後からでも背景ボケが変えられる「ぼかし」機能
「ぼかし」機能
部分補正ツールの中に新たに追加された「ぼかし」
これを使うことで、撮影した後でも背景ボケを大きくすることが出来ます!
しかもその方法もとても簡単。
ボケさせたい場所を選択して、「ぼかし」のスライダーを上げるだけでボケ感が大きくなるんです。
「この写真もっと後ろがボケてた方が良かったなぁ~」なんて時でも、カンタンにボケ感を変更出来て便利ですね!
右側の写真:ぼかし適用
ちょっと雑になりましたが、ボケ感が変わっているのが分かりますかね(笑)
こんな感じでボケ量を写真を撮った後でも調整することが可能なんです。
新ワークフローで作業効率がアップ!
新ワークフロー
セレクト:編集する写真を選択する部分。写真の表示速度も従来にくらべかなり高速化しています。
調整:前モデルまでのメイン画面に当たる部分。レタッチを行う画面ですね。
印刷:最後の現像をする画面。従来よりも写真の表示が大きくなっており、最終確認がしやすくなっています。
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これら3つの画面を切り替えて行えるようになりましたので、1画面構成よりもゴチャゴチャせず分かりやすい画面構成となりました!
SILKYPIX Developer Studio Pro10は非常に多機能なRAW現像ソフトですが、分かりやすくなったワークフローのおかげで、初めて有料のRAW現像ソフトを購入すると言う方でも、使いやすいソフトになっていると思います!
「テイスト」が新しく56種類も追加
テイスト
他のRAW現像ソフトではプリセットやフィルターと呼ばれるものですね。
こちらがなんと56種類も追加されています!
普通は少数を追加するか有料購入なのですが、SILKYPIX Developer Studioは太っ腹ですね。
テイストはクリック1つで写真の雰囲気を変えてしまえる機能で、スマートフォンとかのアプリで似た機能を使ったことがあるかと思います。
RAW現像にはチャレンジし始めたばかりで、まだレタッチのやり方が分からない方でも、テイストを使えば自分のイメージする写真を簡単に表現することが出来る。
右側の写真:シネフィルム(70,s)を適用
※中央のスライダーを動かしてご覧ください。
右側の写真:ノスタルジックトイカメラ適用
※中央のスライダーを動かしてご覧ください。
強力な補正力「パース歪み補正」が追加
パース歪み補正ツール
SILKYPIX Developer Studio Pro10に新しく追加された「パース歪み補正ツール」は、結構ひどい歪みでもほぼ完ぺきに補正してくれる強力な機能!
広い範囲を写すことが出来る超広角レンズ。
風景写真で活躍しますし、パースを活かして撮影すればダイナミックな写真を撮ることが出来ます。
ただどうしても写真が歪む性質があり、RAW現像ソフトなどで歪みを補正してあげる必要があります。
最近は自動で歪み補正をしてくれるようになってきましたが、それでも歪みが残っている場合は手動で補正しなければいけませんので、ちょっと手間がかかりますね…。
SILKYPIX Developer Studio Pro10の「パース歪み補正ツール」は、結構ひどい歪みでもほぼ完ぺきに補正してくれる強力な機能なんです!
元画像
パース歪み補正ツール適用後
中央に向かって傾いていた建物が、パース歪み補正ツールを使うと完璧に真っすぐとなりました!
2つの写真を見比べると、やはりしっかりと補正されている写真の方が、見ているほうもスッキリとしますよね。
広角の歪みは中心から離れるほど酷くなりますので、高層ビルなどの人工物は特に歪みが目につきます。
ですので超広角レンズをお使いになるのであれば、歪みをしっかりと補正し尚且つ簡単操作で出来るソフトは有難いです!
右側の写真:パースゆがみ補正ツール適用
いま超広角レンズを持っていないので、昔のイマイチな写真しかありませんでしたが、左側の建物や右側の木がまっすぐになったのがお分かりいただけるかと思います。
周辺ぼかし・シャープに「線形」が追加
周辺ぼかし・シャープ
周辺ぼかし・シャープの機能の中で、新たに「線形」が追加されました。
これを活用することで、撮った写真をあとからジオラマ風やミニチュア風にすることが出来ます!
右側の写真:周辺ぼかし・シャープ「線形」適用
※中央のスライダーを動かしてご覧ください。
トイカメラみたいで面白いですね。
またミニチュア風にするだけでなく、これらを利用して写真表現の幅を広げることが出来ます。
フィルムのネガからデジタル化「ネガフィルム反転ツール」
ネガフィルム反転ツール
フィルムの未露光部分をクリック指定するとポジ画像へ一発で変換できる優れもの。
※画像引用元:silkypix
ネガからデジタル化する製品も販売されていますが、何かと思った通りには行かないもの…。
かと言って業務用はお値段が高くて手が出ません。
SILKYPIX Developer Studio Pro10をお持ちであれば、現像済のフィルムネガを一眼やミラーレスで撮影し、「ネガフィルム反転ツール」を使えばすぐさまカラーのデジタル写真にすることができます!
家に眠ったままになっている古いネガをデジタル写真化することが出来るので、昔の写真とかを見てみたい時に使ってみたいですね!
その他のSILKYPIX Developer Studio Pro10で出来る事
非常に多機能なRAW現像ソフトでありつつ、そのまま合成処理まで出来るソフト。
イメージしやすい例で言うと、lightroomとPhotoshopが1つになった写真用ソフトって感じです。
上級者まで使えるオールインワンなRAW現像ソフトですが、「多機能すぎて使いこなせないかも…」と尻込みする必要はありません!
こちらはSILKYPIX Developer Studio Pro10の実際の操作画面なのですが結構シンプルな画面構成なんですよ。
多くの調整項目がアイコンでまとめられていますので、画面がゴチャゴチャしていません。
カメラメーカー純正のRAW現像ソフトに近い感じですね。
他の有料RAW現像ソフトは、ある程度知識があることが前提の作りになっていることが多いですので、調整項目がズラーと画面に表示されていますので、初心者の方ですとそれだけで「なんか難しそう…」と感じてしまうかも知れません。
SILKYPIX Developer Studio Pro10は調整してみたい項目のアイコンを押して、表示される数種類のパラメーターを弄って行く感じなので取っつきやすいんじゃないかと思いました!
SILKYPIX Developer Studio Pro10のまとめ
汎用RAW現像ソフト【SILKYPIX Developer Studio Pro10】
まとめ
今回ワークフローが見直され、セレクト・調整・印刷と画面が分かれたおかげで、多機能なRAW現像ソフトなんですが初心者でも使いやすいソフトになっていると感じました。
ソフトはこれまでのRAW現像に加え、6つもの合成機能が追加されましたので、SILKYPIX Developer Studio Pro10があれば何でもできると言うオールインワンなソフトになったと思います!
そして何と言っても新しく追加された合成機能を活用する、ノイズ処理能力の高さは数多くあるRAW現像ソフトの中でもトップクラスです。
撮影のときに出来れば上げたくないISO感度ですが、暗い場所でシャッタースピードを稼ぎたい場合や、イルミネーション会場で三脚が禁止されていると、ISO6400やISO12800まで上げる事もあると思います。
とりあえず撮影は出来ますが、パソコンモニターで写真を見るとやっぱりノイズが気になっちゃいますよね…。
SILKYPIX Developer Studio Pro10を持っていれば、撮影するときに同じ構図の写真を4枚、SDカードに余裕があるのでしたら連写で16枚撮影しておけば、あとで何とでもなるという安心感は強いと思います!
写真中級者や上級者の方にはもちろんオススメですが、初心者の方にこそ強くおススメしたい。
と言うのもカメラ初心者のころって、フルサイズセンサーのカメラではなく、マイクロフォーサーズやAPS-Cセンサーのカメラから入る方が多いと思います。
Canon EOS kissシリーズやOLYMPUS PENシリーズ、FUJIFILMのミラーレスなど。
マイクロフォーサーズやAPS-Cはフルサイズセンサーよりも、高感度時にノイズが乗りやすい性質がありますので、ノイズ処理能力が高いSILKYPIX Developer Studio Pro10がオススメです!