こんにちは、梅野(@kerocamera_ume)です!
その名は「PENTAX K-3 Mark III」
PENTAX K-3 Mark IIの後継機であり、実に6年ぶりのモデルチェンジとなります。
PENTAX K-3 Mark IIはカメラにGPSが内蔵され、カメラ単体で「アストロトレーサー」が使用可能で、高解像撮影の「リアル・レゾリューション・システム」を手持ちで撮影出来るようになった「リアル・レゾリューション・システムII」を搭載していた画期的なカメラ。
PENTAX K-3 Mark IIIの特長
新開発2573万画素センサー
有効画素数は2573万画素。
3000万画素を超えてくるかと思っていましたが、高感度性能や連写速度など全体のバランスを優先したんだと思います。
画素数は驚くべき数字では無いものの、ローパスフィルターレス仕様となっていますので、高い解像力に期待できるイメージセンサーとなっていますね!
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
イメージセンサー | APS-C 裏面照射型 CMOS | APS-C 表面照射型 CMOS |
有効画素数 | 2573万画素 | 2435万画素 |
ローパスフィルター | レス仕様 | レス仕様 |
5軸5.5段ボディ内手ぶれ補正機構「SR II」
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
手ブレ補正機構 | SR II | SR |
手ブレ補正 | 5.5段分 | 4.5段分 |
最高ISO感度1,600,000
公式の作例を見る限りではISO25600までは見れる写真でしたので、高感度にはかなり強いカメラに仕上がっていますね。
ISO204800を超えると、流石にノイズが酷く「とりあえず撮れる」という状態でした。
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
高感度撮影 | ISO100~1600000 | ISO100~51200 |
劇的に改善された連写性能
PENTAXのカメラは連写が苦手でした。
フラッグシップモデルと言える「PENTAX K-1 Mark II」で最高4.4コマ/秒。
同じAPS-C一眼レフの「PENTAX K-70」でも最高6.0コマ/秒。
他社のエントリーモデル並みとなっており、かなり劣っていた部分と言えます。
前モデルのPENTAX K-3 Mark IIも最高8.3コマ/秒となっており、他社のAPS-Cのフラッグシップモデルと比べても遅かったです。
しかしPENTAX K-3 Mark IIIでは連写性能が大幅に進化し、最高約12コマ/秒を達成!
AF.Cモードでも最高11コマ/秒となっており、APS-C一眼レフの中では最速の連写性能に進化しました。
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
連写速度 | 最高約12コマ/秒 | 最高約8.3コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
101点AFシステム SAFOX 13
連写速度と共にPENTAXの弱点だったのが、オートフォーカスの性能。
ピント精度は良いものの測距点少なく、他社に比べて動体には弱めでした。
フラッグシップモデルのK-1 Mark IIで、AF測距離点33点(25点クロス)
他社のフルサイズ一眼レフでは100点を超えることも珍しくなく、かなり物足りない状態となっていました。
PENTAX K-3 Mark IIIではオートフォーカスがかなり強化されており、これまでの「SAFOX 12」から「SAFOX 13」へと進化しAF測距離点101点(25点クロス)と、PENTAX史上でもぶっちぎりに最強のオートフォーカスを搭載!
約30.7万画素RGBIrセンサーも搭載し、新しい動体予測アルゴリズムの恩恵で、動体への追従性もかなり向上しています。
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
AF | SAFOX 13 | SAFOX 11 |
AF距離点 | 101点(25点クロス) | 27点(25点クロス) |
パワーアップしてるのにコンパクトになったボディ
これまでなかった機能なども盛り込まれるため、部品点数の増加や部品の大型化などが起こりますからね。
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
サイズ(幅x高さx奥行き) | 134.5x103.5x73.5mm | 131.5x102.5x77.5 mm |
重量 | 735g | 700g |
幅 (+3mm)
高さ(+1mm)
奥行(-4.5mm)※突起部分を除くと-2.5mm
PENTAXのカメラは奥行きがあり結構分厚い印象があるんですが、PENTAX K-3 Mark IIIは奥行きが減り薄型化されていることが分かります。
その代わりに幅と高さが若干大きくなり、重量は35g重くなっています。
ただ持ってみた印象だと奥行きが無くなった分、「小さくなったなぁ」と言う印象が強いかも知れません。
PENTAX K-3 Mark IIIはもちろん防塵防滴仕様となっていますし、耐低温(-10℃)にも対応しています!
視野率約100%の高性能ファインダー
一眼レフの特権と言えるのが「光学ファインダー」の存在。
ミラーレスに採用される「電子ファインダー」と違って、遅延0の生の景色を見ながら撮影することが出来ます。
通常、エントリーモデルの場合、光学ファインダーの性能は抑えられていて視野率は95%になっている場合が多い。
95%と言うことはファインダーには映っていない場所があり、実際に撮ってみると余計な電柱が写り込んでしまっていたりします。
PENTAXのカメラはエントリーモデルでも視野率100%となっており、かなり良心的で撮る人の事を考えられている。
またPENTAX K-3 Mark IIIの光学ファインダーは、視野率100%に加えファインダー倍率1.05倍を達成!
さらにペンタプリズムの反射率の向上により明るさを約10%アップとなっており、かなり見やすい光学ファインダーとなっています。
今回パワーアップしたオートフォーカス・連写性能と相まって、動体撮影能力がかなり高まっていますね!
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
ファインダー視野率 | 100% | 100% |
ファインダー倍率 | 1.05倍 | 0.95倍 |
PENTAX K-3 Mark IIIのその他機能
PENTAX K-3 Mark IIIのその他機能1
- 4K動画撮影
PENTAXのAPS-Cカメラとして、初めて4K動画撮影に対応しました。
記録方式は(3840×2160、30p/24p)となっており、今回進化したボディ内手ブレ補正の恩恵で、より快適な動画撮影が可能です。 - USB充電USB端子
(USB Type-C)が装着され、パソコンやモバイルバッテリーから充電が出来るようになっています。
カメラを使用しながらUSB給電も出来るようですが、PENTAX公式は動作保証なしとなっていますのでご注意下さい。 - アストロトレーサー
イメージセンサーが星を自動追尾し、赤道儀なしでも星空を長時間露光で撮影出来る画期的な機能。
この機能を使うには別売りオプションの「GPSユニットO-GPS1」が必要になります。せっかくだったらGPSを内蔵式にしてくれたら良かったんですが…
PENTAX K-3 Mark IIIのその他機能2
- 新・ファインシャープネス
シャープを掛けるとノイズも発生してしまうんですが、PENTAX K-3 Mark IIIに採用された「新画像処理エンジン PRIME V」のおかげで、ノイズを抑えながらシャープを掛けられる「新・ファインシャープネス」が追加されました。
通常撮影でもクッキリハッキリとメリハリのある写真撮影が出来るようになっています。 - リアル・レゾリューション・システム
同じ構図で撮影した4枚の写真を合成し、カメラの画素数を超えた超高精細写真を作り出す機能。
PENTAXではお馴染みとなっていますね。手ブレ補正を利用し、手持ち撮影にも対応したリアル・レゾリューション・システム2もありますが、PENTAX K-3 Mark IIIにはリアル・レゾリューション・システムとしか書かれておらず、手持ちに対応しているかは不明です。
PENTAX K-3 Mark IIIとPENTAX K-3 Mark IIの違い
PENTAX K-3 Mark IIIと前モデルPENTAX K-3 Mark IIのスペックを比較してみて、どれほど進化しているのかを見てみましょう!
PENTAX K-3 Mark III | PENTAX K-3 Mark II | |
発売日 | 2021年4月23日 | 2015年5月22日 |
タイプ | 一眼レフ | 一眼レフ |
センサーサイズ | APS-C(裏面照射型) | APS-C(表面照射型) |
画素数 | 2573万画素 | 2435万画素 |
高感度 | ISO100~1600000 | ISO100~51200 |
連写速度 | 最高12コマ/秒 | 最高8.3コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
AF測距点 | 101点測距(25点クロスタイプ) | 27点測距(中央25点クロスタイプ) |
液晶モニター | 3.2型(インチ)・162万ドット | 3.2型(インチ)・103.7万ドット |
ファインダー倍率 | 1.05倍 | 0.95倍 |
ファインダー視野率 | 100% | 100% |
撮影可能枚数 | ファインダー使用時:800枚 | ファインダー使用時:720枚 |
手ブレ補正 | 5.5段分 | 4.5段分 |
4K動画撮影 | 〇 | × |
記録メディア | SDカード SDHCカード SDXCカード |
SDカード SDHCカード SDXCカード |
Wi-Fi | ○ | × |
Bluetooth | ○ | × |
NFC | × | × |
本体サイズ | 134.5(幅)x103.5(高さ)x73.5(奥行) mm | 131.5(幅)x102.5(高さ)x77.5(奥行) mm |
重量 | 735g | 700g |
実売価格 | 250,000円前後(ボディのみ) | 60,000円前後(中古品) |
まとめ
約6年ぶりのモデルチェンジという事もあり、大幅な進化を果たしたPENTAX K-3 Mark III。
オートフォーカスや連写性能は、PENTAXのカメラとしては劇的なパワーアップポイントで、動体撮影がかなり強化!
またお得意の高感度撮影にも磨きが掛かり、数年前では使い物にならなかったISO12800での撮影も、躊躇なくできるほどのノイズ耐性を得ています。
センサーサイズの違いはありますが、PENTAX K-1 Mark IIを超える最高のカメラでは無いでしょうか!?
しかし残念なのは実売価格で250,000円と言う価格ながら、「アストロトレーサー」を使うためのGPSが内蔵では無かったという事。
オプションで外付けGPSを買えば済む話ですが、内蔵されていたら荷物も減るし良かったんですが…。
とは言え、現在販売されている一眼レフの中でも、トップクラスの性能を誇るPENTAX K-3 Mark III。
「やっぱりカメラは一眼レフだぜ!」
「アウトドアでもガンガン使えるタフで高性能なカメラが欲しい!」
と言う方には一番の選択肢になるのでは無いでしょうか!